イヌサフランは、ヨーロッパ中南部から北アフリカ原産で秋に花が咲く植物ですが、生息地は海外だけではありません。
そして問題なのは、イヌサフランは毒を持っており極めて毒性が強いことです。
食べると中毒症状を起こし、重篤な場合には死亡することもあります。
そのイヌサフランの日本での主な生息地や食べてしまったときの症状、また毒の成分などをお伝えします。
ス ポ ン サ ー リ ン ク
イヌサフランの日本の生息地域はどこ?
イヌサフランはヨーロッパ中南部~北アフリカ原産の球根植物ですが、日本には明治時代に渡来しています。
そして、それから園芸植物として広く植えられたとのこと。
園芸として育てているものや自宅付近のものを食することはまずないと思いたいところですが、実はそうでもないのです。
<事故の発生事例>
・石川県内で自宅横のものを採取して食べた
・北海道で家庭菜園のイヌサフランの球根を食べた
・山形県で自宅の庭に生えていたものを食べた
などです。
イヌサフランは、育てているつもりもないのに庭に生えている場合などもあります。
もともと外来種の植物で、日本に渡来してから園芸用として広まったものです。
そのうちに人の居住地域で自生するようなことになってもおかしくありませんよね。
その辺で見かけることが珍しくないってことです。
イヌサフランの生息地は、日本全国です。
秋に咲かせる花は、たいへん綺麗なので観光のために栽培されてもいます。
観賞用として「コルチカム」という名で球根が販売されているのです。
イヌサフランの毒性は?その成分と症状
イヌサフランは「サフラン」と名前に付くものの、アヤメ科のサフランとは全く別物なのです。
とはいえ、別の植物であっても、名前だけでなく見た目もよく似ています。
そして、秋には花が咲きますが、春には山菜と間違われることがあるのですね。
そのため、イヌサフランを食べてしまうことで中毒発生が起こります。
<イヌサフランの成分>
イヌサフランは、有毒成分アルカロイドのコルヒチンを含有しています。
花・茎・根すべてが毒性が強いですが、特に種子や球根に多く含まれます。
種子:0.2 ~ 0.6 %
鱗茎:0.08 ~ 0.2 %
<コルヒチンの有毒性と中毒症状>
コルヒチンを含むイヌサフランを食べることによって嘔吐、下痢、皮膚の知覚減退などの症状を引き起こします。
また、過剰摂取すれば呼吸困難で死亡することも。
※コルヒチンは、鎮痛薬として使用されてもいます。
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イヌサフランを食べてしまうのはどうして?
イヌサフランを食べて中毒症状を起こし、最悪、亡くなってしまう人がいます。
それは、花を咲かせる秋にはサフランと似ていますが、春の山菜の時期にはギョウジャニンニクと見た目が似ているからなんですね。
そして、球根はタマネギやニンニクと間違えやすい。
庭や畑で何か栽培する際には、食用と観賞用が混ざらないように注意することが大前提です。
イヌサフランは、秋には葉をつけずに、いきなり地面から花茎を伸ばして咲き始めます。
このため「裸の貴婦人」とも呼ばれる珍しい花。
鑑賞する分には、美しく人の目を楽しませてくれますが、毒性がある花です。
くれぐれも食べることのないよう…ギョウジャニンニクか??…なんて、よくわからない場合には「食べない」ようにすることが大切です。